あーたんの読書ブログ

読書感想文かいていきます!

読書感想文#12『バナナの魅力を100文字で伝えてください』柿内尚文

 

 

人のコミュニケーションについての興味は、割と小さい頃からずっとあった。言語そのものを学ぶのも好きだったし、言語・非言語問わず、コミュニケーションを通して人が関わったり、社会が動いていたり、人間の根幹の部分として、恐らく本能的に興味があったんだと思う。大学では「文学部コミュニケーション専攻」に行ったくらい(笑)私の出身校は学部学科の統廃合が物凄い大学で、その専攻は今は無くなりましたが。

だからといって、コミュ力の高い人間では残念ながら全然ないので、こういう「伝え方」の本はたまに読む。

このベストセラーになった本の著者は、編集者のお仕事をされている方。彼が今までうまい伝え方だと思ったキャッチコピーや、マーケティングの例を散りばめながら、「伝わる(×伝える)技術」として36項目のテクニックを紹介している。

「簡潔にうまく伝わる文章の書き方を知りたい」と思っていた私にとっては惹かれるタイトルだったのだが、読んでみるとこの手のビジネスハウツー本か~って感じで、正直微妙だった。ほとんどがよくある内容(たとえを使おう、数字を使おう、結論を先に言おうetc.)だったからだ。それでもベストセラーになったのはなぜか考えてみた。多分、文章がまず易しいところ。難しい言い方を全然していない。あとは本の構成にこだわりがあって視覚的に易しい印象を醸し出しているところ。例えばいろんな図を入れていたり、大きい文字を使ったり、行間を広くとっているのでさくっと読みたい人にはうれしいだろう。タイトルも良いし、どうすれば本が売れるかわかって書いてるよ、って感じで、さすが編集者が書いた本といった感じ。まぁ、私にはわかっているつもりになっているバカの壁があるのかも(笑)しれなかったけど、ちょっと期待外れだったかなあ。そういうことを知りたいんじゃないという感じで。

新しい発見はないか探しながら読んだけど、収穫としては著者が例に出してくるいろんな商品のコピー文が面白くて、私はあんまりそんな風に意識してキャッチコピーや商品説明を分析したことなかったなと思ったくらい。著者は多分、職業柄、毎日キャッチコピーとか文章を見るたびにどんな技術で伝えようとしてるのか考えてるんだろうな。そういう視点で商品説明とか読むと今後面白いかも。自分が何を言われたらそれを買っちゃうのか(何に弱いのか)とかわかるかもなぁ。面白い文章とかキャッチコピーを考えるには、そういうのを日ごろから考えておかないと難しいんだろうなって思ったりした。