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読書感想文#4『アサーション入門』平木典子

アサーション入門』平木典子


 

 

アサーションとは、自分も他人も大切にする自己表現のこと。臨床心理士の著者が、コミュニケーションにおいてなぜアサーションが大切か、どうやって実践すればよいのかを説明した本。

 

<本の要点まとめ>

  • アサーティブではない自己表現:非主張的自己表現

「自分はNot OK、相手はOK」。

この自己表現は、自分の意見や感情を相手に言えない、いい損なうため、結果的に理解されなかったり、言いなりになったりして非常にストレスがたまってしまう。

 

心理としては、分かってもらえないかもしれないという恐れや、他人への甘えがある。自己表現することでおこるマイナスの結果を恐れ相手に任せることで安全を確保しようとする。

 

この自己表現では相手のためをおもって、マイナスな状況を生まないように自己犠牲をしてもそれが伝わらず惨めな思いをしたり、ストレスが大きいためメンタルを病んでしまう。またいい人のように一見見えるが実は、常に遠慮されたり、自己表現をしてくれないと、相手は居心地の悪さを感じることになるので人間関係を築きにくい。

 

  • アサーティブではない自己表現:攻撃的自己表現

「自分はOK、相手はNot OK」。

相手を言い負かしたり、操作したり、怒鳴ったり、自分の意見を押し付ける自己表現で、無意識的に相手を軽視したり無視したりするため相手を傷つける。必ずしも怒鳴るなどの表現ではなく、言い方が優しくても「一言多い」「押し付けがましい駄目押し」も含まれる。

 

この自己表現の裏には自分は正しい、自分の方が優れていると思っている心理がある。または社会的に立場が上の人がやりがち。面白いことにこれも実は相手に依存した甘えの心理と繋がっている。

この自己表現では、相手を傷つけるので、安定した人間関係が作れず孤立してしまう。

 

  • 理想的な自己表現=アサーティブな自己表現

自分も相手も大切にする、「自分はOK、相手もOK」の自己表現方法。

 

  • アサーティブな自己表現はみんなの権利

アサーティブな自己表現は人権であり、私たちはだれもが自分らしくあっていいし、正直に自分の感情を表現する自由がある。

そして誰もが間違うこともある。どれだけ言い方に配慮したって、相手の受け止め方は様々なので、傷つけてしまうこともある。それでも、間違った責任を受け止めたり、謝ったり受け入れたりして、歩み寄りをすることが大事。

 

  • アサーションを実践するための3つのステップ
  • まずは自分の気持ちしっかりととらえる

自分の思い・感情を理解すること。他者に集中せず、自分に集中して自分の感情を観察する。

感情は自分が起こしているものであり自分の心の傾向の手掛かりとなるもの。

  • そしてそれを正直に言語化すること。言語化することでの気持ちがはっきりとしてくる。
  • 相手の反応を受け止め見届けること。マイナスな反応でも受け入れる。

 

  • 注意点

アサーティブな自己表現をしたからといって、相手が思い通りに動くとは限らない。その時に歩み寄り、話し合うことが大事。

 

  • アサーティブな自己表現の実践ポイント―アイ(I)メッセージ

相手や世間一般を主語にするのではなく「私」を主語にして話すこと。

「私は」こう思う、「私は」こう感じたとする。

例えば「なんで〜してくれないの!」よりも「私は〜と思ったから、してほしいな。」という表現のほうがよい。

 

<本の感想>

  • 本を読んだ理由

そもそもこの本を読もうと思ったのは、私には自己表現がうまくできない場面があるから。それで実際ストレスを感じることも多かったし、周りの人にも、「もっと自分の思っていることを言った方がいい」と言われたこともあるので、どうすればいいのかを考えてみようと思った。

 

  • 自分の自己表現の傾向を振り返って

私は、非主張的自己表現の傾向が大きいと思う。もちろん常にそれではなく、場面や相手によってアサーティブな自己表現ができることもあれば、攻撃的自己表現をして相手を傷つけることもあるが、ストレスを感じるのはやっぱり「本当は言いたかったけど、言えなかった」とき。自分にどんな傾向があるかはこれまでの経験で決まってくるそうだが、アサーティブな自己表現は学べばちゃんと身につけられるそう。

 

  • 仕事の場面でやりがちな自己表現

私は特に仕事の場面において、消極的になりがちという自覚はあった。

「言いたいことははっきり言えばいいじゃん!」という、非主張的自己表現をしてしまう人の心理がわからない人のために説明すると、まず、自分の意見をいう前に諦めの気持ちがでてきてしまう。どうせわかってもらえない・ばかにされるのではないかという恐れがあるので黙っていた方がマシという気持ちになる。また上司にミスを指摘されても「言い訳はするべきではない」という自分の価値観で黙ったり、相手を傷つけたくないと思って言えないこともある。だいたいその場はとりあえず笑顔でごまかす・黙るのだが、我慢した分その後ももやもやしてしまい疲れる。

結局言ったあとの「マイナスの結果」が怖いので自分の安全を守りたい心理が強いだけだと思う。

 

  • 実際アサーティブな自己表現をやってみた

この本を読んでから、最近仕事の場面でも少しずつ自分の気持ちを正直に話すようにしている。これまでは、不安な時に「不安です」と言ったりすることはあまりなかったがそうするようにしたり、怒られた時に言い訳するべきでないと思っていたのでこれまでは何も言わなかったが「本当はこういう意図で・・・」と若干言い訳するようになった。やってみると、言い訳というか、状況説明と思ったらむしろ相手のためにも説明したほうがいいこともあるとわかった。

まだ内容によっては、自分の気持ちを伝えるというのは、結構「えいや!」と思わないと言えない。

でもやってみて驚いたが、きちんと自己表現してみると相手がきちんときいてくれて、ちゃんと考えを返してくれた。相手も私の考えがわかって安心しているように見えたので勇気を出して伝えてよかったという気持ちになった。上司や周りの人がよくできた人で本当にありがたい。恵まれている。

あと言ったあとに、いつもと違って自分の気分が良かった。だいたい自分が我慢していればとか、自分が犠牲になればいいか、と黙っているのはメンタルによくないということをやっと自覚した。

でも先週もまた上司に怒られた時に言えなかったことがあって、それはいまだにもやもやしているwけど、まあ少しずつやろう、そんなにすぐは変わらない。

 

  • 自分の感情を伝える勇気をもつこと

うまくいった例を書いたが、アサーティブな自己表現をしたからといって全てが思い通りに行くわけではない。自分の意見を言って相手とそれが一致すれば奇跡だが、人は価値観も考え方も違うのが当たり前で、ほとんど一致することなんかないのでそこから歩み寄る必要がある。歩み寄れないこともあると思う。それはそれでOK。

それでも自己表現をすることはみんなの権利であり、そうしてぶつかったり傷つけたりすることもあるけど、それをまた謝ったり受け入れたりして 進んで行くというのが人間関係だから。

私にとっては、自分の思ってることは正直に伝えていいんだよ。ネガティブな結果を恐れないで。って、背中を押してくれる優しい一冊だった。